17.表面処理
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表面処理・メッキ(鍍金)一覧
1. ユニクロメッキ
ネジ産業でよく使われている表面処理です。
電気亜鉛メッキの上に、光沢クロメート処理を行ったもの。処理液などの要因によりシルバーから青みがかった色味となる。塩水噴霧では、白錆発生まで24時間程度。六価クロムが含まれるためRoHS指令には不対応。
2.クロメートメッキ
電気亜鉛メッキの上に、有色クロメート処理を行ったもの。やや緑がかった黄色から金色系の色となる。塩水噴霧では、白錆発生まで48時間程度。建築系の金具・ボルトに使用されることが多い。六価クロムが含まれるためRoHS指令には不対応。
3.黒亜鉛メッキ(亜鉛黒・黒色クロメート)
電気亜鉛メッキの上に、硝酸銀などを含んだ液でクロメート処理を行ったもの。黒色にはなるが主に銀が化学反応をして色がでるため、形状により反応の差が生じる。膜厚は厚い部類であるが耐食性は他のクロメート処理と同程度。
4.三価クロメートメッキ
ユニクロメッキ・クロメートメッキ・黒亜鉛メッキ等のクロメート処理を行うメッキは六価クロムが含まれている。これをRoHS対応のために三価クロムに置き換えたもの。六価では発揮される自己修復性がない。耐食性はユニクロメッキ同等。
5.三価黒色クロメートメッキ
ユニクロメッキ・クロメートメッキ・黒亜鉛メッキ等のクロメート処理を行うメッキは六価クロムが含まれている。これをRoHS対応のために三価クロムに置き換えたもの。六価では発揮される自己修復性がない。耐食性は黒亜鉛メッキ同等。
6.ニッケルメッキ
装飾用に用いられる光沢をもつキレイなメッキ。鉄との密着を高めるために下地に銅メッキを付けることが多い。耐食性は、亜鉛メッキ+クロメート処理よりも明らかに低く、メッキ自体にピンホールがあるために2重に(ダブルニッケル)される事が多い。
7.黒ニッケルメッキ
ニッケルメッキの上に、黒色の亜鉛-ニッケルの合金メッキを薄くつけ、変色防止のためにニス付けを行ったもの。耐食性はニッケルメッキと同程度。
8.無電解ニッケルメッキ
通常のニッケルメッキでは、電流や形状の関係で膜厚の安定しない場合があるが、無電解ニッケルは、ニッケルと燐の合金を溶液中で還元させて表面に析出させるためにムラがなく処理できる。電流の通らない樹脂にも処理ができる。
9.クロームメッキ
ニッケルメッキの上にクローム層をほどこしたもの。シルバーに美しく輝き装飾性が高いメッキ。表面はクロームの金属層になるので大気中ではほとんど変色しない。硬度が高く・耐摩耗性も良好。金具等にメッキの場合は、傷防止のため吊りメッキで行う。
10.黒クロームメッキ
ニッケルメッキの上に黒色のクローム層をほどこしたもの。ガラメッキ(バレル)では、処理できないため吊りメッキで施される。1個ずつ冶具にかけてメッキするため、コストは高いが美しい黒に仕上がる。
下地にニッケルメッキ、その上に銅と亜鉛の合金を貼ったもの。この合金は真鍮に比べ、銅の比率が高い。真鍮メッキと同様の処理だが、色合いがより金に近く仕上がる。
11.ラスパート
金属亜鉛層、化成皮膜層、表面焼成層の三層からなる高耐食表面処理。耐食性が良い為、屋外の使用に適している。六価クロムを含有している為、RoHS指令非対応。ノンクロムのものもあり、そちらはRoHS指令対応。ラスパートは日本ラスパート社の登録商標。
12.パーカー処理
リン酸塩被膜を生成させる処理の事を総称して呼ばれる。リン酸塩被膜処理とはリン酸塩の溶液を使用し、金属の表面に被膜を発生させる化成処理。塗装の前処理に使われることが多い。